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2002.11.20

5行詞の抒情

またひとり昭和を代表する作詞家が亡くなった。
去る14日、83才で逝去された伊吹とおる氏である。ある程度年齢の
方ならご存知と思う。春日八郎さんの《 ごめんヨかんべんナ 》や三橋
美智也さんの《 東京見物 》を手がけた作詞家だ。

今から四十年近い昔、藤田まさと先生による定型詩講義の会場でご挨拶
したていどの筆者だが、伊吹作品の抒情性にはいつもこころ惹かれてい
た。たとえば上記の二つのヒット曲は、ともに昭和32年(1957年)の
作品だが、5行構成のそれも短いフレーズの書き方の中に、見事に主人
公をとりまく人間関係ややさしい気持ちが描かれている。

乱世がらみで薄っぺらな歌謡曲がおおい昨今、こういった暖かい雰囲気
をもった作詞をする人たちがまた現れないものか・・

伊吹とおる先生のご冥福をこころからお祈りいたします。     By Td

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2002.11.13

《 八代亜紀さんの集中力 》

演歌の歌姫、八代亜紀さんの絵画個展が新宿の小田急百貨店で
開催された。最終日に事務局の To さんをさそって出かけてみた。
筆者は30年来八代演歌のファンで、昔は彼女の歌う歌の歌詞
や音符を紙に写し取ったりして、心底夢中になったものだ。
その八代さんが絵を描いているとは聞いていたが、これほどま
でに見事な作品を連作されているとは気づかなかった。一歌手
の趣味のレベルなんぞとっくに通り越して立派な画業を成し遂
げている。フランスの国際絵画展への連続入賞もうなずける。

会場をめぐりながら、歌の方の実績ももそうだが、八代さんの
この仕事ぶりをもたらす原動力はいったい何だろう、としみじ
みと思った。ひとつの分野で良い仕事をなしとげられるひとは、
別の分野にもそのエネルギーを応用できるようだ。わたしは、
それは彼女の持つ卓抜な集中力のなせる技なのではないかと
感じた。ひとつの仕事に賭けるときの純粋な精神の集中・・
そこから、多分おのれの分身が生み出せるのだろう。
作詞だって同じだと思う。いい加減な環境に身をおきながらの
遊び気分で、たとえば掲示板に書き込みなどしたって、すぐれ
た作品が生み出せるはずもない。        By Td

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